Take’s diary

Macとマイコンに関すること--ワクワクの製作日記

3Dプリンタ CEL robox をテストしてみた(その2)。

今回は、CEL-robox出力テストの続きと、この機種のなるべく客観的な評価について書いてみることにしました。今回はABSフィラメントもテストしてみました。

 

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 PLAフィラメントテスト

面白そうなデータをネットで拾ってきてつくってみました。

1.リトフェイン

まず リトフェイン - BS01 Wiki

これは前から気になっていたので、roboxで印刷してみました(Fineモード)

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透かし絵です。愛犬の子犬時代の写真をリトフェイン造形してみました。PLAの白だとセピア調の白黒写真みたいになります。別の素材で枠を工夫すればプレゼントにかなり喜ばれそうですね。

2.ロボットアーム

EEZYbotARM by daGHIZmo - Thingiverse これを見て作って見ました。roboxのNormalモードで各部品を印刷しています。精度はまあまあで、部材の表面の仕上がりも下の写真のように、全く問題ありませんでした。この程度の部品であればNomalモードで十分。サーボを4個付けてPyboardで動作確認してみました(うまくプログラムできたら掲載します)。

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ABSフィラメントテスト

 Fineモードで印刷しています。前回テストしたPLAと比べると細かいところが若干潰れ気味。このような細かいものならカスタムで調整しながら印刷する必要がありそうです。(FINEモードは層の厚さが0.1mmだが、本来時間を気にしなければ、カスタムモードで0.02mmまで印刷可能。ただし、この種の機器にそこまで精度を求めても?ですが)

 若干底面が反り気味なので、ABSを使った平面状モデルではRAFTをONにした方が良さそう。

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 さらに、3Dプリントテストで有名なヨーダを印刷してみました。カタチ的にサポードなしでも行けそうなので、Fineモードのサポート及びRAFT無しです。元々のモデルは少し大きく時間がかかるので80%に縮小しました。

 目の部分は、ちゃんと目玉が入ってるんですね。

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で、完成。耳の先はサポート材が無いので、若干雑でしたが、ほぼパーフェクト。

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PLAと比較してABSだとテカリが少なく、印刷時の段差はほとんど気になりません。ちょっとヤスリをかければ売り物品質です。Roboxの昨年あたりの海外のテスト記事を見るとかなり悲惨な状態ですが、見ての通りです。スライサーソフトの改良に成功したか、テスト記事がデタラメだったかですかね。

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 付属のスライサーソフトについて

  • 簡易選択肢としてDraft,Normal,Fineがあり、層の高さはそれぞれ0.3mm、0,2mm、0.1mm、となっている。Draftのみ0.8mmと0.3mmのノズルを使い分けている。プリントサポート材、Raftは造形前に必要な場合はONにするだけ。
  • その他にカスタムモードが選択できて、これは自分の好みの条件でかなり細かい設定ができる。
  • PLAとABSの相互交換は、このプリンタメーカーのフィラメントを使用している限り、さほど意識しなくても良い。交換時はパージマテリアルコマンドを実行して、ノズルの中に溜まっているフィラメントを排出する。少し高価だが今回テストした使用量を考えると、私の場合は当面4本もあれば十分。
  • 前回書いたように、その他は全自動なので特に特別なノウハウが必要ない。
  • 今回テストした結果、本体のハードが十分に精度が高く、メカのスピードもそこそこで、必要十分なセンサー類も持っている。ソフトの改良で、印刷品質やスピードが上げられるはずなのに、現状ハードにスライサーソフトが追いついていない。
  • Macがスリープすると、USBの接続が切れてしまう。roboxのスイッチを入れ直すしか方法がない。(ただしプリンタが動き出せば、コンピューターが接続されていなくとも特に問題ない。各部温度などが確認できないだけ。非常時はフィラメント取り付け部のボタンを押せぼOK)

今回の結論

 モデルの作り方で印刷スピードに影響が出ることをサンプル出力を通してよく理解できました。roboxは、PLA,ABSフィラメントとも問題なく印刷できる点、初期の余計な設定が必要なく、3種類の標準出力モードだけでで望んでいる品質のプリントができる点などが評価できます。ただし造形スピードを上げるため、付属のスライサーソフトの改良が必要に感じました。

 今後のメンテナンス対応ですが、製品を見ると、重要な部品の交換が簡単にできそうなので、あまり決定的な問題にはならないような気がします。ただ、今回の使用でヘッドが動く時、少しキーキー擦れる音がしたので、レールへの給油が頻繁に必要に感じました。

 3Dプリンタがこれだけ手軽に使えると、やはり要は3Dソフトの習得如何です。自分の欲しい部品作成実現も、もう目と鼻の先になってきました。

 フィラメントの色ですが、ほとんどがびっくり色で、渋めのものが少ないのが少し不満です。やはり白が一番使いやすいような気がします。

 今後の教訓になるようなトラブルが発生したので、興味のある方は次の記事もご覧あれ。 

takesan.hatenablog.com