前回に引き続き今度は
JETPAK UBUNTU(64bit)をインストールしたJETSON TX1にTorch7をインストールしてみました。
今回は早稲田大学の研究グループが開発したsiggraph2016_colorizationという学習済みモデルを実行してみます。白黒写真をデープラーニングでカラー化する素晴らしい研究ですね。実際に変換したのがこの写真です
私が4歳ごろ(昭和34年前後)に父が写した写真です。この写真はこのカメラで撮っています。
この時の様子はうっすら覚えていましたが、色までは思い出せません。カラー変換した写真はセピアがかっていますが、姉がピンクの手編みセーター。母が着ているものは白地に茶色の細かい千鳥模様ののジャケット。
はっきり思い出しました。あのころ姉の上着を触った感覚や周りの匂いも色とともに蘇ってきます。母の若々しいこと!!。父は他界し、母は1時間前の記憶すら消えてしまう状態になってしまいました。当時の幸せな感覚を思い出すと目頭が少し熱くなります。老健施設のボランテアで使うと、皆さんとても喜ばれることでしょう。
Torch7のインストールはすごく簡単
curl -sk https://raw.githubusercontent.com/torch/ezinstall/master/install-deps | bash
git clone https://github.com/torch/distro.git ~/torch --recursive
cd ~/torch; ./install.sh
これだけです。~/torchの所は自分のインストールしたい場所に変更してください。
NIVIDIAのフォーラムでTorch7インストールスクリプトが紹介されていますが、これはJETPAC32bit版なので、うまくいきません。上記コマンドだけで簡単にインストールできました。途中はcaffeと違ってワーニングが比較的たくさん出ますが、一応今の所問題ない様です。
インストールが終わったら、.bashrc に以下の2行を書き加えて終了。
export PATH=~/torch/bin:$PATH;
export LD_LIBRARY_PATH=~/torch/lib:$LD_LIBRARY_PATH;
とりあえずrebootしたら、「th」 と入力してtorchの入力画面が表示されたらOK。
siggraph2016_colorizationのインストール方法は、以下参照
torchのluaライブラリが必要ですが、標準インストールに入っていますので、今回はこの通り実行すればOK。
肝心の変換スピード
32bit版では2.5Gというかなり大きなデータをここからhttp://hi.cs.waseda.ac.jp/~esimo//files/colornet_ascii.t7.bz2読み込む必要があり、1枚の写真を変換するのに3分25秒必要でした。今回の64bit版ではインストール時にダウンロードされるバイナリデータそのままでOK。実行時間は1分15秒でした。この差はデータの読み込み時間で、約2分に対して4秒程度で読み込みが完了します。実際の変換はほとんど差がなく、720x480ドットで約1分くらいでした。基本プログラムの応用で面白いものができそうです。
こんなボードも手に入れました
TX1が平面的にPi3より小さくなります。i2cやGPIO制御テストも兼ねて少し遊んでみようと思います。
では、また。