YOLO学習済みデータをiPhoneで利用する方法は次に回して、今回は最新耳寄り情報です。
FLIR ONE Proって?
iPhoneやAndroidに取り付けてスマホをサーモグラフィー化する商品で、昨年までの同名商品(FLIR ONE)は、赤外線センサーとして同社のLEPTON3が入っていました。
このカメラは、WEBカメラも取り付けてあり、2つのカメラ画像を合成して相互の弱点を補うというものです。しかし、LEPTON3は160X120画素の横長、スマホに表示される画像は縦長です。画像の比率を考慮するとLEPTON3画像のほんの1部しか使っていないことになります。ある意味つまんないですね。
私たち(渡辺、小野)の作ったThermal Cam3はWEBカメラ未搭載ですが、無線で格安、しかもLEPTON3の画像をすべて使い切っています。
また、この記事でも紹介していますが、以前のFLIR ONEは簡単に分解できることもわかっています。
果たして新しく、価格が高くなったFLIR ONE Proは簡単に分解できるか?、そしてセンサーは何を使っているかが疑問でした。買うといっても個人ではなかなか........。
今回
Maker Faire Tokyoで知り合った大澤さんがFLIR ONE Proを持っていると言うことで、早々に分解して送っていただいた写真がこれです。
本体両側のネジカバーをマイナスドライバーのようなもので外し、ネジ2本を外します。ネジを外す工具は一般的なヘックスローブドライバT5サイズだそうです。面白いことに、以前の製品より構造が簡単になっていることが分かります。LEPTONセンサーはソケットにはまっているだけですから、この段階で簡単に外すことができますし、元に戻すことも以前よりさらに簡単です。
以下渡辺さん情報。Andoroid版はGPDでも使えるそうです。(FLIR ONEアプリをネットからapk fileダウンロードして入れ替えるとのこと)
中に入っていたのはLEPTON3.5!!
いろいろ試していただいた結果、中に入っている赤外線センサーはLEPTON3.5である事がわかりました。この部品はDegiKeyで購入することができて価格は30,631円。
FLIR ONE Proを持っていて、私たちのThermal Camに興味を持っている方なら、バラさない手はありませんぞ!!
LEPTON3と3.5の違い
両者とも画素に変化は無く160X120ドットのままですが、出力されたデータから簡単にすべての画素の測定温度を計算できるところが大きく違います。今までのLEPTON3は温度を計算するために、i2cを使ってチップ温度を取得する必要がありました。しかも温度計算方法についてメーカーは非公開。
LEPTON3.5は通常の使い方をする限りi2cが必要なくなります。i2cのライブラリや余計な計算が必要ないので、私たちの使っているメモリの少ないESP8266には断然有利になります。
LEPTON3.5用のARDUINO IDEソースも上記記事でダウンロード可能です。